新たなる誓い
「――ニニアン?」
フェレ城の中庭で佇む恋人に、エリウッドはどうしたのかと思って呼びかけた。
「あ、エリウッド様」
「どうしたんだい?」
「あ、はい…。少し、ニルスのことを思い出していたんです…」
答えると懐かしく思ってエリウッドは言った。
「…ニルスか。今頃向こうで元気にやっているだろう。大丈夫、心配は要らないよ」
「…そう、ですよね」
戸惑いを含んだうなずき。後ろめたいものがやはりあるんだなとエリウッドは思った。
姉弟の犯した罪を一身に受け、姉の幸せのために別の大陸へ――過ごしていた世界へ帰ったニルス。
ニニアンは自分の願いもありこの大陸に残ったが、
それでも弟へのやり切れない思いがあるのだろうとエリウッドは察する。
「――ニニアン」
「…エリウッド様?」
そっと後ろから、エリウッドがニニアンの華奢な身体を抱き締める。
驚くも温かい感覚にニニアンの心は安らいでいく。
「…君は悪くない。ニルスだってそれをわかっている。君に幸せになって欲しかったから、彼は一人で帰ったんだ。
だから、君には幸せになって欲しいんだ。忘れろとは言わない。でもそんな悲しい顔をしないでくれ。
お願いだ、ニニアン」
エリウッドの願いが彼女にはよくわかった。
思い詰めないで欲しい。笑って欲しい、と。
「…ごめんなさい、エリウッド様。…私、いつもエリウッド様を困らせてばかりです…」
「そんな事はない。僕だって、君がいてくれるから幸せなんだ。
本当に、こんな気持ちになったのは君が初めてなんだから。
さあ、笑って。結婚式も近いんだ。君がそんな顔ではみんなが心配する」
「はい。エリウッド様」
わずかな間の後に、ニニアンは微笑んだ。
婚儀を三月後に控え、ニニアンは笑顔が多くなった。
父の後を継いで激務に追われるエリウッドも彼女の傍にいる間は本当に安らいだ表情を見せる。
フェレの民は二人の婚約を心から祝福していた。
それだけ幸せだということが周りによく伝わってきたからだ。
リキアの貴族達からは素性の知れない彼女を懸念する声もあがってはいるが、
エリウッドがそれを許さなかった。
「彼女以外の女性を妻に娶る気はない!」
と、大きく宣言までしたほどだった。
エリウッドが彼女を心の奥底から――魂から愛しているのだと。
そして守り通し、幸せにするのだと、誓いの言葉でもあった。
「…あの、エリウッド様」
「? ニニアン?」
彼女からの呼び掛けに、優しい笑顔でエリウッドは応えた。
二ニアンは安心して言葉を紡いだ。
「…私、結婚式の前に行ってみたいところがあるんです。エリウッド様と一緒に…」
「どこだい? 言ってごらん」
それには戸惑った顔。
ニニアンは躊躇していた。
けれど勇気を振り絞って、エリウッドに告げた。
「ナバタ砂漠の『理想郷』へ。
人と竜が暮らしている里をこの目で見たいんです」
灼熱の太陽が照りつけるナバタ砂漠。
そこをエリウッドとニニアンは二人で歩いていた。
「ニニアン、大丈夫? 気を付けて」
「はい」
エリウッドの腕に掴まりながら、ニニアンはうなずく。
「…ごめんなさい、エリウッド様。我侭を言ってしまって…」
しばらく砂漠を歩いて、彼女はエリウッドに謝った。
けれど彼は首を横に振った。
「構わないよ。それに僕も一度は行きたかった場所だ。
…人と竜が共に暮らす里。これからの僕達を考える上でも行っておいた方がいいしね」
「…ありがとうございます、エリウッド様…」
人間と竜族。
種族の違いを越えてこの二人は深く、強い愛情で結ばれている。
しかし一年前共に戦った者達以外は彼女が竜とは知らない。
今は隠していかねばならないが、いつか公に出来て、堂々と人間と竜族が暮らせるように。
今から向かおうとしている『理想郷』のようにするために。
二人は先駆者となる誓いも立てていた。
「…さて、少しここで待とう。ホークアイ殿が迎えに来てくれるそうだ」
「ホークアイ様が…」
ホッとした表情を見せるニニアン。
あの戦いのさなか、苦しむ彼女に助言を与えてくれたのが彼である。
その彼から『理想郷』の話を聞いたのだ。
半信半疑であったが、本当に存在すると知って素晴らしいと思った。
決別して大戦を起こしたのに、分かり合えて共に暮らせる…。
人との争いを嫌った彼女ら氷竜族にとって、本当に理想と言うべきだった。
「あっ」
突如砂嵐が巻き起こった。
エリウッドはマントで彼女を庇い、自分も腕で顔を押さえて砂が目に入るのを防ぐ。
「!」
起きたのと同じで突然砂嵐は止んだ。
腕をどけるとその先には、褐色の肌で巨大な身体を持つ戦士――ホークアイの姿があった。
「ホークアイ殿、お久し振りです」
「…久し振りだな。二人とも…」
彼の挨拶に会釈をしてニニアンも挨拶をする。
「急ごう。砂漠の状況は変わりやすい…」
先導して歩き出すホークアイ。
その後をエリウッドとニニアンは追う。
歩いていると、また砂嵐が起こってきた。
だが、今度は様相が違う。その場所だけ巻いているように思える。
「…この先に『理想郷』が?」
「そうだ。主の魔力で起こした砂嵐…それが里を守っている」
自分たちのために力を使い果たして亡くなった大賢者アトス。
その魔力が他者の目に触れぬように『理想郷』を守っている。
迷うことなくホークアイは砂嵐の中へと足を進める。
エリウッドも、ニニアンも、戸惑ったが砂嵐の中へ入った。
二人はほとんど目を開けてはいられない状況だった。腕で顔を防いで半目でなければ砂が目に入る。
それでもはぐれないようにホークアイの後を追う。
『…!?』
しばらく歩いて砂嵐を抜けた二人が見たのは、砂漠のオアシスとそこに作られた集落。
大きな神殿も見える。
「あれが…『理想郷』…」
二人は人間と竜族が住まう理想郷――ナバタの里へと、到着した。
ホークアイの案内で里の中へ足を踏み入れる。
ゆったりと時間が流れ、いたって普通の村と変わらない雰囲気だ。
家々も普通の人々が暮らすのと変わらない大きさだ。
「おや、ホークアイさん。そちらの二人は?」
途中で男性一人がホークアイに声をかける。短く彼は答えた。
「…客人だ」
「そうか。ようこそナバタの里へ。ゆっくりしていってくれ」
「ありがとうございます」
二人に挨拶をすると離れていく男性。
「…」
ニニアンの様子が少しおかしいのに気付いて、エリウッドは声をかけた。
「どうしたんだい?」
「あ、ごめんなさい。…けれど、今の人から力を感じて…」
「力?」
オウム返しに尋ねるとうなずいてからニニアンは答えた。
「はい。竜族の力を」
「…でも、僕らと変わりは無いね」
「そうですね…」
歩いている間にも、次々と里に住んでいる者達が挨拶をしてきた。
すべてに応えていたせいで先導していたホークアイを待たせる形になってしまった。
それでも彼はなにも言わずに待っていてくれた。
「…着いた」
ある場所でホークアイが足を止める。今まで見てきた家とは少し広い。
「長老が待っている」
と言うと彼は二人に中へ入るように促す。言われて中へと入ると…。
「やあ、二人とも。久し振りだね」
片手を上げて挨拶するのは予想していない人物。
エトルリアはリグレ公爵のパントだった。
「パント様! どうしてこちらに!?」
「いや〜研究のためにこっちに来ていたら、ホークアイから君達二人が来るって言うじゃないか。
それでせっかくだし久し振りに会おうかなとね」
相変わらず自分のペースを崩さないパントに、エリウッドは少し苦笑い。
「…パント様はこの『理想郷』を以前からご存知で?」
「ああ。しかしここのことはエトルリア王宮には報告しなかったよ。
軍事利用されるのが関の山だからね」
「…そうですね」
竜族が大きな力を持っているのは千年近く経った今でも伝えられている。
今もこの大陸に入ると知ったなら利用しようとする輩は必ず出て来る。
そのことを考えてパントは秘密にしていた。
「おっと。まずは里の長老に会わないとね。その後でルイーズ達に会ってやってくれないか」
「ルイーズ様も?」
「ああ。それじゃまた後で。外で待っているよ」
言い残してパントはその場を去っていく。
気を取りなおして、エリウッドとニニアンの二人は長老に会うべく歩を進めた。
ある一室に通される。
「…お客人をお連れしました」
言ってホークアイは下がる。
部屋にいたのはどこにでもいそうな老人だった。
「…あなたが、この里の長老ですか?」
「うむ。いかにも。…お主が、氷竜族の娘じゃな?」
「は、はい」
ニニアンがうなずくと、長老は感慨深く言った。
「ホークアイから事情は聞いておったが、氷竜族が別大陸に逃れておったとはな…」
「…この里は、もしかして神竜族の…?」
「その通りじゃ」
「神竜族? 二ニアン、何か知っているのかい?」
エリウッドの問いにうなずいた彼女は、答えた。
「人間が色々な民族に分かれているように、私達竜族も分かれているんです。
人竜戦役で主に争ったのは『火竜族』。私やニルスは『氷竜族』。
…その竜族の中で一番大きな力を持つのが『神竜族』なんです」
「もう昔の話じゃよ…。今は人間との混血が進んで純粋な神竜はたった一人だけじゃ」
「そうなんですか?」
「竜族は子孫を残す力が弱いでな。それに人間と共に過ごす宿命じゃろうて。
じゃがそれで後悔などしてはおらんよ」
種の危機にあっても、別種族と分かり合えて暮らせる方がいい。
決別より、共存。
自分たちと同じだと思った。
一度は別れようとした。けれど、愛情は引き裂けなかった。
たとえ長い時を生きられないとしても、幸せを刻める方がいいと、残った。
通ずるものがあると二人は確信した。
「…素晴らしいです」
ポツリとニニアンが言った。
それで長老は首を一瞬傾げるが寄り添う二人の姿にすぐ理由を察した。
「なるほどなるほど。これはめでたいことじゃ。この里の者以外で、人間とわしら竜族が結ばれるとは…」
お互い顔を赤らめるエリウッドとニニアン。
「どうやらこの里に来た理由は、わしらの生活を見るためかな?」
うなずくとエリウッドが話した。
「二月後に結婚式を控えていて、その前に人間と竜族が暮らすこの里の方々の生活を、見ておきたかったんです。
これからの僕達の、そして子供達の未来のためにもと」
「未来のため…」
二人の意思を知って、何度もうなずく長老。
「この里を見て思ったじゃろう。どこにでもある集落と変わりないと」
「ええ」
「それはお互いが分かり合っているからじゃ。外ではそうもいかぬと――分かっているじゃろう?」
「はい。でも、僕達は一緒に歩むと決めたんです。時間はかかるでしょう。
それでもいつか大陸全体が、この里のようになれるようにと。そのために力は惜しみません」
エリウッドが、言い切った。
彼の真摯な瞳に長老は少しだけ笑って言った。
「若い者達はいいのう」
呆気に取られていると、長老が続けた。
「夢がある。力もある。その心で二人ともこれから頑張りなさい。
今日はこの里でゆっくりしていかれるといい」
『…はい!』
力強く二人はうなずく。
礼を言って長老の部屋を出てく二人。
「…長老様…今の方たちは…?」
しばし経って、一人の少女が部屋に入ってきた。
声は掠れ掠れだが、聞こえる。
「おお。氷竜族の娘さんと、人間の青年じゃよ。今度結婚するそうじゃ」
「…この里の人たち…以外で…ですか…?」
「そうじゃ。素晴らしいことじゃ」
「…そうですね…」
ゆっくりと彼女も、うなずいた。
長老の家を後にした二人は約束通りパントと合流し、ある一件の家へと入った。
出迎えたのは金髪に褐色の肌の少女だった。
「あ、パント様。お帰りなさい」
「やあ、イグレーヌ。ただいま。お客さんが二人来ているからお茶でも出してくれないかな」
「はい」
二人に会釈をした後パタパタと駆けて行く少女イグレーヌ。
「今の子は?」
「ああ。ホークアイの娘だよ」
「娘さんがいらっしゃったんですか」
金髪と褐色の肌は確かに親子でそっくりだ。なるほどとうなずく。
「ここに滞在している時は、ホークアイの家にやっかいになっているんだ。それじゃ、行こうか」
パントの先導で一室へと入った。
「お帰りなさいませ、旦那様」
ニッコリと微笑んだのは彼の妻ルイーズ。その彼女の傍には、揺り篭が一つ。
「ルイーズ様、お久し振りです」
「お久し振りです…」
挨拶をするエリウッドとニニアン。微笑んでルイーズも挨拶を返した。
「お久し振りですわ、お二人とも。――あ、紹介いたしますわね」
言って彼女が揺り篭から抱き上げたのは、同じ金色の髪の赤子。
二人に可愛らしい顔を見せた。
「息子のクレインだ。数ヶ月前に生まれたばかりでね」
「おめでとうございます! ご子息ですか」
祝福に笑ってパントは応えた。
「ああ。可愛いだろう? ルイーズにどことなく似ている」
「あら。私はパント様に似ていらっしゃると思いますけれど」
「そうかい?」
「ええ」
二人の世界が始まる。あの一件の時も本当にこの二人はいつもこのペースだった。
それでもお互いを信頼し合う良き夫婦として皆の目には映っていた。
「どうぞ」
そこにイグレーヌがお茶を運んできた。
ありがとう、とパントが受け取りテーブルに置く。
ふと視線を感じたニニアンは振り返った。
彼女がじっとこちらを見ていた。
「あ、あの…私が…何か?」
それで彼女は我に返った。
「あっ。ご、ごめんなさい。…私の友達に似ていたから…」
「友達…?」
コクリと彼女はうなずく。
「ソフィーヤって言う、私の友達。雰囲気とか…よく似ていたから…。
もしかして、お姉さん…竜族なの?」
コクン――迷うことなくニニアンはうなずいた。
「そうなんだ。…じゃあ、ここで暮らすの?」
それにはパントが答えた。
「違うよ、イグレーヌ。彼女は用があってここに来ただけでね。彼と一緒に暮らしているんだよ」
目線でエリウッドを指す。二人は顔をまた赤らめた。
「でも、またここには来る?」
「…ええ。出来たら…またここに来たいから」
良かった――と、イグレーヌは笑顔を浮かべた。
「それじゃあ私、弓の練習に行ってきます!」
「行ってらっしゃい、イグレーヌちゃん」
ルイーズの言葉に笑顔でうなずいて、彼女は部屋を去った。
「…いい子ですね」
「だろう?」
「…自然のままに付き合える…そんな世の中になればいいですね。そのためにも、頑張らないと」
「そうだね」
この里へ来て良かったと、エリウッドは心底そう思った。
そうして歓談して時間は過ぎていく。
「そうですわ、ニニアン。この子を――抱いてみます?」
「え?」
と、いきなりの提案にニニアンは戸惑った。
人様の子供にそんな事をしていいのだろうか。
「大丈夫ですわ。いずれあなたも母親になるかもしれませんもの。さあ」
「あ…はい」
ルイーズから、ニニアンに。まだ小さなクレインが移される。
腕にしっかりと重みが伝わる。
どう抱いていいかわからない彼女に、ルイーズが優しくアドバイスをした。
「頭を支えて、包むようにしっかりとしますのよ」
「はい」
言われた通りに抱いてみて、ニニアンは眠っているクレインを見下ろす。
(…私にも、こんな時が来るのかしら…)
トクン。トクン。トクン…。
小さな身体の、心臓の音が伝わる。
しっかりと生きている。命を刻んでいる。
天使のような寝顔は、他人の子供なのに愛しく思える。
一方でその様子を見ていたエリウッドは、微笑を浮かべるニニアンが立派な母親に見えた。
「羨ましくなってきたかな?」
「え!? パ、パント様…!」
図星な事を言われてエリウッドは三度顔を赤くした。
その後素直に答える。
「ま、まあ…。いつかあんな風に出来たらいいかな、とは…」
「いや〜若いねぇ。きっと幸せは君のところにも来るよ」
はっはっはっ、とカラカラ笑って見守るパント。達観の域に入っている気がする。
(十分パント様も若いんじゃ)
と心の中で突っ込んではみたが、口には出さない方向にした。
「エリウッド様」
ニニアンに呼ばれて、傍へ来る。
「…私とエリウッド様の間に子供が生まれたら…どうなるんでしょうか」
「え?」
問われて言葉に少し詰まった。
それはすなわち竜族の血を引くことを意味するからであり、寿命などはどうなるのだろうと思ったからである。
しかし、それはそれ。ただ愛する人との子であるなら。
エリウッドは微笑で答えた。
「きっと、可愛い子が生まれるよ。ニニアンみたいに可愛い女の子とか」
「……私は、エリウッド様によく似た男の子が欲しいです」
答えに安心したのか、ニニアンも笑って言葉を返した。
「おやおや。仲がいいねぇ」
「そうですわね、パント様」
そんな二人をまた、リグレ公爵夫婦は温かく見守っていた。
「――天におわす神と、聖女エリミーヌの御名において、誓いの言葉を」
朗々とフェレの聖堂に司祭の言葉が響く。
純白の婚礼衣装を身に纏ったエリウッドとニニアンは、はっきりと誓いの言葉を口にした。
「いかなる時においても、いかなる場においても、妻と共に歩み、永遠の愛を誓います」
「いかなる時においても、いかなる場においても、夫と共に歩み、永遠の愛を誓います」
手をお互い取り合い、繋がりを示す。
「――指輪を」
傍にいた神父が指輪を入れた箱を差し出す。
二人は互いに、相手の左手の薬指に結婚指輪を通した。
「では、最後の誓いを…」
コクリと二人はうなずく。
エリウッドはニニアンの顔を覆うヴェールを上げた。
「――ニニアン」
「はい」
微笑で応えた彼女の唇に、そっとエリウッドは自分の唇を重ね合わせた。
聖堂の外では、二人を祝福する声で湧いていた。
二人の姿に、歓声はさらに高まる。
「みんな…私達を祝福してくれているんですね…」
「ああ。事情を知らない人たちもいる。
でも――みんな手を取り合えるように、努力していくつもりだよ。
ニニアン、君には迷惑を掛けてしまうだろうけど…」
「大丈夫です。私…エリウッド様と一緒なら、どんなことも乗り越えられます。
私たちの子のためにも、私頑張ります」
彼女は、笑っていた。
安心したエリウッドは、ニニアンを両手で抱え上げた。
途端に周囲から口笛が上がる。
「エリウッド様…」
「ありがとう、ニニアン」
そうして再び、エリウッドはニニアンの唇に口付けた。
今はまだ隠さなければいけないかもしれない。
でも、『理想郷』を実現させたい。
いつか生まれ出でて来る、子供のためにも。
<後書き>
すっかり長くなってしまいましたね。
ネタ自体は前からやりたかったのでこんなハイペースで書き上げられました。
人間と竜族が共に手を携えて生きるというテーマが、この二人にはありますから。
ただ、予想以上に、リグレ夫妻が出張ってしまった。
さすがだこの夫婦(笑)
時間は烈火終了から一年半後ぐらいです。
最後は、この二人のお約束を出来たので良い感じに仕上がったとは思います。
それではこのような長いものになってしまいましたが、捧げたいと思います。
ありがとうございました。
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