創作支援、ゼロ×イーリス



支援C ふとした事で同じ戦場に身を置くことになった二人…。
そこで死神のような戦いをするゼロを見つけるイーリス。
けれどゼロに気付かぬ内に攻撃が!
そこをイーリスが魔法で助ける。

イーリス「大丈夫? 怪我はないかしら」
ゼロ「怪我などない。自分のことに集中しろ………」
イーリス「…。でも、敵の攻撃に気付かなかったあなたこそ、自分の事に集中すべきではないの?」
ゼロ「気づかなかった………? 違うな、あのあと、前に一歩でるだけで避けることができた。助けは無くてよかった……」
イーリス「…余計なお世話だった、と言うわけ? 大した自信だけれど、助け合うのも必要じゃない?」
ゼロ「………ついてくるかどうかはお前の自由だ。俺は俺でやる」
イーリス「…。そう言えばあなたの名前――聞いてなかったわね。私、イーリス。あなたは?」
ゼロ「ゼロだ。……………」
イーリス「ゼロ…ね。短い間だけれど一緒に戦う仲だから、よろしくお願いするわね。あなたが嫌でも、いざという時はフォローするわ」
ゼロ「いやではない。………フォローか、初めて聞くな………」
イーリス「そう? ならこれからお互い頑張りましょう」
ゼロ「………ああ、そうだな………」





支援B ゼロと知り合って、数日経ったある日のこと。ふと気になって、イーリスは尋ねる…。

イーリス「ねえ、あなたの名前…ゼロって言うのよね。どう言う意味で、あなたのご両親はつけたのかしら」
ゼロ「そんなものだ……意味は知らん。両親ということは確かだ。……それがどうかしたのか?」
イーリス「…気の無い答えね。あなたは、気にしたことは無いの? 自分の名前の意味…」
ゼロ「気にしたことなど無い。名前に意味があるなど知らん」
イーリス「そう? 私の名…イーリスは、理の女神の名。虹と調和を紡ぐ女神。祝福を受けて…その名前が付けられたわ。調和を尊ぶ人間になって欲しいと、願ったと」
ゼロ「………そうか。一応、俺もないわけではない」
イーリス「? あるの? 良かったらでいいから、聞かせてほしいわ」
ゼロ「………俺の”前の”名はゼロレウス=デスフォルド。童話の悪役の名前だ。童話のくせに人の命を食らうというものだった。……それが俺に最初つけられた名前だ。意味は人殺し」
イーリス「…!! 一体、誰がそんな名前を…」
ゼロ「俺の育て親。本当の親ではない。……もうこの世にはいないがな」
イーリス「……もしかして……殺したの?」
ゼロ「……………………どう思う?」
イーリス「…………私には、答えられないわ。それぞれ事情は、あるでしょうし」
ゼロ「そうか、じゃあ答えてやる。………殺した」
イーリス「………そう」
ゼロ「………随分と、驚かないものなんだな、意外と芯の強さはあるらしいな」
イーリス「あなたの事情が、あるからでしょう? 血縁同士で争うことをよく見たもの、私は」
ゼロ「……………惨いものだな……」
イーリス「そんなものよ。……私のいた世界は。直接血はほとんど見なかったけれど、醜い争いの繰り返し…嫌になるでしょう」
ゼロ「まぁ、出て行きたくなるだろうな……………」
イーリス「でも、私は家族が好き。争いを止めたくて、こうして出たの。…姫でも。できると信じて」 ゼロ「姫……? お前、そんな身分ででてきたのか?」
イーリス「…これでも故郷では有名よ。…だって、宰相の娘だもの」
(彼女の父はロアーツの前任宰相です)
ゼロ「ほう…………じゃあ、今頃は姫がいないと騒いでるだろうな」
イーリス「でしょうね。今頃は血眼になって捜しているはずよ。特に兄は私を可愛がってくれたから」
ゼロ「……見つかったら……どうするんだ?」
イーリス「……見つかったら……逃げるわ。まだ私は未熟だもの。お父様や、兄様を助ける力はまだないから」
ゼロ「一人で?」
イーリス「だって、他にあてもないし…」
ゼロ「頭がいい割には、無謀な部分があるんだな」
イーリス「…もしかして、なあに? …協力してくれるとでも言うの?」
ゼロ「…………なぜ、そういうふうに捉えるんだ?」
イーリス「一人でやるのかって聞いたから。まあ、あなたの自由だし、期待はしていないわ」
ゼロ「…………じゃあ、共に行くと言ったら?」
イーリス「……本気なの?」
ゼロ「……………そんなこと言うということは、ついてきてほしいって顔らしいな」
イーリス「そんなつもりではないのだけれど。でも、来てくれたら頼もしいわ。…ありがとう」
ゼロ「………まだ決まったわけでもないが? まさか、お前が本気にしてるのか?」
イーリス「もしもの時は、お願いしようかしらね。それじゃあ、お互い頑張りましょう」



支援A  戦いの中で。

イーリス「ゼロ、そっちは大丈夫?」
ゼロ「……無事だ…」
イーリス「大勢は決したみたいね」
ゼロ「そんなものだ…」
イーリス「…今の内に、言っておくわ。私そろそろ契約が切れるの」
ゼロ「………そうか、俺もだ」
イーリス「お別れだと、少し寂しくなるわね。でも二度と会えないわけじゃないわ」
ゼロ「…………二度と会えないほうが通常だと思うが?」
イーリス「夢のないこと言わないで。…奇跡のような確率だけれど会えたら素敵じゃない?」
ゼロ「素敵……? なんだ、俺に会いたいとでも?」
イーリス「そう言うことではないけれど。でも…もしも会えたら…あなたはどうなっているのかしら」
ゼロ「…………変わることはない。……そういうお前はどうなんだ?」
イーリス「多分、今のままかもね。少しは旅をしていて成長したかもしれないけれど、きっと私の根本は変わっていないと思う」
ゼロ「つまり変わらないと。………でもまた旅をするんだろう?」
イーリス「ええ。前に言ったはずよ。未熟だから、私」
ゼロ「未熟……剣はそうでもなかったが?」
イーリス「それ以外よ。私は兄たちを助けられるようになりたいの。だから」
ゼロ「…………ふぅ……何年かかるんだろうな……」
イーリス「そうね…」
ゼロ「じゃあ、お前はいつになったら家に帰るんだ?」
イーリス「自分で納得がいったら、かしら」
ゼロ「納得がいったらか………納得することなどない。俺の経験上はな。……お前に出来るかどうか、よくわからんが」
イーリス「やるだけ、やってみる。心配してくれてありがとう」
ゼロ「………”ありがとう”か……久々に聞いた」
イーリス「そう。…なら、もうちょっとあなたに嬉しいことを教えるわ。あなたの名前――”ゼロ”のもう一つの意味」
ゼロ「…………??」
イーリス「前には「無い」――つまり終わりの名前だった。でも”ゼロ”は始まりの名前でもあるの」
ゼロ「………始まりと終わり………何かこれから始まると…?」
イーリス「それはあなた次第だと思うけれど、決してあなたは終焉をもたらすだけの存在じゃない。私はそう信じてる」

ゼロ「…………俺は…そう思われていたのだろうか?………うれしいってこういう気持ちなんだな……」
イーリス「…ゼロ…」
ゼロ「……一つだけ……いいか?」
イーリス「……なあに……?」
ゼロ「お前の旅……ついていってもいいか? 行き先が…無いんだ…」
イーリス「……いいの? 私の旅……いつかは見つかるかもしれないのに」
ゼロ「そのときはお前を守る。…約束する」
イーリス(ポロッ)「……あ、あれ? やだ…私、泣いてる……」
ゼロ「泣くなんて……めずらしいな…その性格じゃ泣く事なんて考えられないが」
イーリス「ちょっと、私だって泣くわよ。…でも、久し振りかもしれないわ」
ゼロ「久しぶり?」
イーリス「前にいた傭兵団では、すごく泣いたことがあるの。でもそれ以来」
ゼロ「………弱いんだな、意外と」
イーリス「そう思う、私も。…だから嬉しいわ。一緒に来てくれるのは」
ゼロ「俺も………」
イーリス「じゃあ、これからは二人ね。頑張りましょう」
ゼロ「ああ、おもしろくなりそうだ」
イーリス「その前に、今の戦い終わらせましょう」
ゼロ「そういえば、そうだな、すぐに終わらせるとしようか」
イーリス「じゃあ、行きましょう。フォローよろしくね」
ゼロ「しょうがないな、やってやるよ」
イーリス「フフ、ありがとう」




終了です。
少し繋がってない所もあるけれど、なんだかすごくいい感じになった。
エリア君危うし!?
頑張れ〜。




戻る